「ごめんね、すぐに気づいてあげられなくて」

ねねさんの眉毛が申し訳なさそうにハの字になっていた。

「い、いえ。むしろ、助けていただいてありがとうございました」

ぺこりと頭を下げると、ねねさんがよかった、と安堵の息を吐き出した。

「そういえばさ、私たちまだそんなに話してなかったよね。シフトは大体一緒なのに」

「ですね!」


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そうだ。

あの事件がきっかけで、私はねねさんと仲良くなれたのだ。


「ほんとに気をつけてよ」

「はい、ありがとうございます」

そう言って、お店を出た。


にしても、バイトが終わるのはいつも夜遅く。

こんな時間に女の子が1人はやっぱり怖い。


コツコツコツ。

ふいに誰かの足音が聞こえた。

さっきまでねねさんと話していたことを思い出した。

──どうしよう……。怖い……。