胸が暖かくなった感じがした。


「あ、あの。藤田くん?」


そっと呼びかけると、藤田くんが顔を上げた。


「あ、ごめん。俺寝てた?」


「うん。見ててくれてありがとね」

ぺこっと頭を下げた。


「全然。俺は隣にいただけだし。」

それから、と藤田くんが続ける。

「熱中症だって。ちょっと無理しすぎじゃない?」


「そんなことないよ。今は頑張らなきゃ行けない時期だしね」


「だめだって、無理しちゃあ。かいちょーが倒れてからみんなバタバタだったんだからね」


「そっか。それはみんなに迷惑かけちゃったな」

反省して、少しうつむいた。


「そういうことが言いたかったんじゃなくて」

藤田くんが私のほっぺをむぎゅっと両手でつかんで、私の顔を上に上げた。