御曹司は優しい 音色に溶かされる

ジョシュは本格的にミュージカルの
音楽プロデューサーを受けることになり、
卒業を待たずしてニューヨークに行った。

そして、ゆりえにメインの曲の作曲を
依頼してきた。

最初固辞していたゆりえだったが、教授や
久美子に励まされ、背中を押されて
やってみることにした。

そのミュージカルはちょっとコミカルな
ラブロマンスで身分の違いを乗り越えて
結ばれる恋人たちの話だった。

メインになる曲は、明るく優しく二人の
明るい未来を想像させるものと言う
ジョシュからの依頼だ。

途中ある別れの曲も、再会して二人が
喜びにあふれるダンスを踊る曲もほとんど
すべての曲をゆりえは作曲する羽目になった

歌詞はあと付けになるらしく、
歌詞がついた時点で再度曲の調整を
する事になった。

メインの曲だけのはずが、やはり
一人の作曲家が全部作った方が良いと
いうジョシュの考えで、ほとんどの曲を
作ることになった。

ゆりえは一ヵ月以上曲作りに掛かりっきりに
なっていた。

ヒロインの女の子がピアノが大好きで
バーでピアノを弾いていた時に彼に
出会うのだ。

まるでゆりえと千隼のような出会いだった。

その時の曲などは新しく作曲はしていないが
ジャズを編曲して弾いてもらった。

女優さんはピアノが弾けないので
そのシーンはゆりえが弾いたものを録音して
劇場で流された。

でも、実際に弾いているように
見せる必要がある。

その為にゆりえが指導することになり急遽
ニューヨークに呼ばれた。

舞台が始まると初日の劇評が満点を
取るほどよかった。

辛口の評論家も珍しく褒めていることも
あって、連日大入りで予定の興行
スケジュールの後には幸運な事に
オン・ブロードウエイにトランスファー
されたのだった。