御曹司は優しい 音色に溶かされる

千隼は会いたい気持ちを抑えてゆりえの
選んだ道を尊重することを決めた。

そのあとホテルに言ってゆりえの手紙を
見つけた。

そこにはコンクールで優勝したのでボストン
の音楽学校に留学を決めた事や二年間は
帰ってこない事そして、二人には時間が必要だと
思うと書かれてあった。

最後には千隼の体を気遣う言葉も…

ゆりえはこれを届けた後ラウンジで
千隼たち三人を見たのだろう。

優太は翔太にそっくりだった。

それどころか千隼の小さなときにとても
よく似ていた。

二人を見たなら親子だと思ったに違いない。

悪い偶然が重なってしまった。

いやこれは、ゆりえを蔑ろにしてしまって
いた千隼への罰なのだろう。

千隼はゆりえを追ってンボストンまで
行くことも考えたが、ゆりえの希望で
彼女はボストン行きを決めたのだ。

それを尊重しなければならないと千隼は
決心した。

二年後には必ずゆりえを、もう一度
この胸に抱きしめる。

その間に千隼にはやらなければいけない事が
山積みだ。

翔太の忘れ形見の優太と翔太の愛した恵子を
見守っていかなければならない。

恵子は今にも消えてしまいそうなほど
翔太の死にショックを受けて、西條の両親も
心配している。

実家の離れに暮らすことは了承したものの、
今後どうしたいのか、この先の未来に希望が
持てずにいる恵子に、何とか前を向いて
もらわなければならない。