御曹司は優しい 音色に溶かされる

ゆりえはマンションには帰らず祖父母の
家に帰ってきた。

まだ時々掃除をしに帰ってきたりしている
ので、電気も水道も止めてはいなかった。

すぐに住める状態になっている。

私はまた、大切な人を愛する人を
失くしたんだ。

チルアウトは千隼とゆりえが出会った所だ

二人の思い出の場所にほかの女を連れて
行くなんて、ゆりえは自分の千隼への想いが
踏みにじられたように感じて悲しかった。

悔しかった。

この気持ちをどうしたらいいのか
分からなかった。

涙が流れるまま為すすべがなかった。

放心状態だったゆりえは、玄関の
インターフォンが鳴ったのにも
気が付かなかった。

鍵も掛けずにいたらしい。

早苗が突然顔を出した。

「ゆりえどうしたの?珍しく電気がついて
いたから…」

と言いかけてゆりえの真っ赤な目に気づいた
早苗は、

「どうしたの?なんで泣いてるの?
西條さんと喧嘩でもした?」

そういってゆりえのそばに腰かけた。

「どうして、早苗っていつも居て欲しい時に
ちゃんと来てくれるの?」

そういってゆりえは早苗に縋り付いて
また泣き出した。

早苗は在学中に予備試験を通過して卒業後
すぐに司法試験にも合格し今は司法修習生
として働いている。

とても優秀な弁護士だ。