御曹司は優しい 音色に溶かされる

ハネムーンは、フランスとイタリア、
オーストリアのウイーンに行く予定で
約二週間のゆったりとした旅程を
組んでくれていた。

ゆりえの為にウイーンによってくれるのだ。

著名な作曲家のゆかりの土地を訪れたり、
ウイーンフイルオーケストラのチケットも
とってくれて、ゆりえは夢のような
二週間を過ごしたのだった。

ハネムーンの後は、ゆりえは家でピアノの
練習をしながら、週に3回母校の大学の
作曲家のゼミの先生の助手を頼まれて
大学に通っている。

午後一時から四時迄と朝十時から午後一時
までのパターンで家事にも影響しないので
ゆりえは楽しく働かせてもらっていた。

千隼との新婚生活も順調で土日千隼に仕事が
入っていない時には、一泊で温泉に連れて
行ってくれたり、ゆりえの好きな水族館や
遊園地にも付き合ってくれる。

西條の義母とは二人でよくランチをして
そのあとショッピングに連れていかれる。

必ずゆりえの服を買いたがる義母には
ちょっと困るのだが、それが義母の
楽しみだと言われて甘えることにしている。

そんな風にゆりえは千隼や西條の両親や
兄の翔太に大切にされて、西條ゆりえという
名前にも慣れていった。