御曹司は優しい 音色に溶かされる


そして、千隼と湘南に行って約半年後
ホテルの和食レストランの個室で
ゆりえは千隼の両親と兄の翔太と顔を
合わせた。

西條の両親はゆりえをとても気に入って
くれた。

特にお義母様は娘が欲しかったと言って、
本当に大喜びしてくれたのには、
拍子抜けしてしまった。

後日、ゆりえをショッピングや食事に
連れまわし千隼に叱られていた。

千隼の三歳上の兄の翔太は西條グループ
本社の副社長として父である社長を
支えている。

千隼とは正反対の静かで優しそうな包容力の
ある大人の男性だった。

ゆりえは翔太の穏やかで落ち着いた優しい
微笑みに安心したのだった。

そして、翔太はチルアウトにゆりえの演奏を
よく聞きに来てくれるようになった。

優しくて千隼に似ているというか千隼が翔太に
似ているのだが、義妹の存在がうれしいようで
仕事の会食の後よくバーによってくれる。

千隼はそれが気に入らないらしく翔太に
そんなに頻繁に来るなと、
ダメ出ししているらしい。

千隼と翔太は本来はブラコン気味でとても
仲がいい。

そんな二人がゆりえはいつもうらやましいと
思ってみている。

たまたま二人が一緒になるときは、仲良く
隣同士にカウンターに座ってゆりえの
ピアノ演奏をバックにお酒を
酌み交わしている。

ゆりえの演奏が終わって時々三人でお酒を
飲みながら話をするときもあった。

そんな時はよく二人の学生時代の話をして
ゆりえを楽しませてくれた。