御曹司は優しい 音色に溶かされる

家に帰ると早速、早苗に電話をした。

早苗には千隼の事は話してあった。

今日家族になろうと言われたことを
伝えると、よかったねと言って
とても喜んでくれた。

でも、あまりに身分が違いすぎると言えば
江戸時代じゃないんだから、身分なんて
ないのよと叱られた。

でも西條のご両親が賛成してくれるわけない
と言えば、そんな事会って見ないと
分からないし、会えばきっとゆりえを気に
入ってもらえるって、と言って笑っていた。

あまりに楽観的な早苗にまじめに考えてよ
というと、

「何言ってんの好きなんでしょう
千隼さんの事、それだけで答えはでてる
じゃないの、馬鹿ねゆりえは…
色々考えすぎなのよ」

と一括されてゆりえはもう何も
言い返せなかった。

まったくもって私の親友は最高だ。

何の憂いもなくなってしまった。

しかもそのあとの千隼の行動は早かった。

ゆりえが一番心配している西條家の承諾を
すぐに取付け西條家の両親と兄との食事会
を設定してきた。

ゆりえは否と言えるはずもなく、きちんと
外堀を埋めてきたのだ。

流石御曹司、行動が早い狙った獲物は
逃がさないという意思が見えて、ゆりえは
千隼の行動力に振り回されるばかりだった。