御曹司は優しい 音色に溶かされる

インターフォンが鳴ってすぐに外に出ると、
青のドイツ車の二ドアのスポーツタイプの
車にもたれかかって、足を組んで立っている
千隼をみて、ゆりえは噴出した。

「色が違うだけじゃないですか。
私の想像とドンピシャです」

ゆりえは楽しそうに笑って千隼が開けて
くれた助手席のドアから乗り込んだ。

今日の千隼はアイボリーのTシャツに濃紺の
パンツを合わせて同じく濃紺の
シャツジャケットを羽織っている。

とても清潔感のあるコーデで、休日に
リラックスするにはぴったりの服装だ。

でも、高級感のある布地できっと
ハイブランドの物だろう。

「言われると思ったよ。プライベートの時は
この車なんだ。昨日は会社の仕事用の車
だったんだ。
あと一台外車のセダンもあるよ」

ゆりえはころころと笑って

「やっぱりかっこよかったです。
千隼さんが車に寄りかかって立っている姿。
サングラスも決まってます」

「もう揶揄うなよ。いじわるすると今日は
帰さないよ。
こんなかわいいゆりちゃんどうして
やろうかなあ?」

「ええ~、そんな恐ろしいこと言わないで
下さい。恋愛初心者なんですから
お手柔らかにお願いします」

昨日の重い雰囲気は微塵もなくて二人は
休日のドライブ日和を楽しんだ。

どこに行くのかゆりえはお任せだったが
どうやら湘南の方に向かっているらしい。

土曜日で渋滞覚悟だったけれど時間が
絶妙だったのか、渋滞にはまらず、
昼過ぎには湘南に着いた。