御曹司は優しい 音色に溶かされる

ゆりえはその優しさに甘えて、こっくりと
頷いた。

「さあ上がってゆりちゃん、翔太の息子
にも恵子さんにも会ってほしいの」

そう言ってゆりえの腕を引っ張って行く。

リビングには三歳くらいの男の子がいた。

二年前は千隼に似ていると思ったけれど、
よく見れば翔太の面影が見える。

とても賢そうなかわいい男の子だった。

ゆりえは膝を折って男の子と視線を
合わせると

「こんにちは。ゆりえというのよ。
よろしくね」

にっこり笑うと恥ずかしそうに

「僕優太三歳。もうすぐ四歳だけどね」

と教えてくれた。

「優太君ぎゅってしていい?」

うんと頷いてくれたのでゆりえはぎゅっと
優太を抱きしめた。

子供の柔らかさと小さな男の子の逞しさも
感じて、翔太はきっとこの子に
会いたかっただろうと思うと切なくなった

その時後ろから声がかかった。

「ゆりえさん、初めまして恵子と申します。
今は千隼さんの第二秘書を
させてもらっています。
二年前は誤解させてしまい申し訳
ありませんでした。
私達の所為でお二人には辛い期間を
過ごさせてしまって何とお詫びしていいか
わかりません」