御曹司は優しい 音色に溶かされる

チルアウトにはユウジがいた。

ゆりえを見るとゆりちゃんと言って
絶句していた。

心配をかけていたのだろうと思うと、
申し訳なかった。

二人でカウンター席に座った。

「やっと二人揃って来てくれた。嬉しいよ」

そう言うとユウジは破顔した。

「ユウジさんほんとにご無沙汰してしまって
すみません。お元気そうで何よりです。
その節はご心配をおかけしてしまって、
本当に申し訳ありません」

「ゆりちゃん昔の事はいいんだよ。
でも、ちょっと見ないうちに大人っぽく
なって綺麗になったね」

「おい、うちの奥さんを口説くんじゃない」

千隼は笑いながらユウジに突っ込んだ。

千隼はいつものと言ってゆりえには
ブラッドオレンジをベースにしたカクテルを
頼んでくれた。

ゆりえがブラッドオレンジが好きな事を
覚えていたらしい。

「リー、もうアメリカには行かないで
帰って来てくれないか?
俺の所に帰って来てほしい。
もう離れていたくないんだ。
リーを傷つけたのは分かってる。
これからうんと甘やかしてリーに寂しい
思いはさせない。
仕事も好きにやってくれればいい。
作曲でもなんでもこっちにいても
できるだろう?だめ?
まだ許してもらえないかな?」