御曹司は優しい 音色に溶かされる

早苗のリクエストであるタイタニックの
テーマを心を込めて弾き終わると
早苗は涙を流していた。

披露宴会場のお客様も早苗の両親も
ハンカチを目に当てている。

一寸やりすぎたかなと反省する
ゆりえだった。

結婚式なのに、ちょっと切なすぎたかも…

思えば早苗がこの曲を聴くのは
ゆりえの卒コンの時以来だ。

あれから四年以上が経ち色々な経験をして、
そのほとんどが隣にいる千隼絡みでは
あるが、あの時より格段に曲の解釈や
技巧も上達している。

披露宴が終わった後、早苗はゆりえに何度も
お礼を言った。

ただでゆりえに弾かせて良かったのかと
心配していた。

当り前じゃないと笑い飛ばした
ゆりえだった。

二次会に行く早苗たちとは別れて千隼に
誘われてチルアウトに行った。

このホテルは西條系列でゆりえが
ピアノを弾いていた”チルアウト”が最上階に
入っている。

そして千隼と結婚式を挙げたのも
このホテルだった。

早苗とは明日ランチに行く約束をしている。