御曹司は優しい 音色に溶かされる

ホテル内の教会では父親にバージンロードを
エスコートされて新郎の待つ祭壇に向かう
早苗は本当に幸せそうですごくきらきらと
輝いているようだった。

ゆりえも早苗の父親にエスコートして
もらったことを思い出した。

少しウルウルしながら早苗綺麗と思わず
呟くと

「リーの方がもっときれいで素敵だったよ」

と隣に座る千隼がゆりえだけに聞こえる
ように耳元で囁いた。

ゆりえは頬を染めて

「失礼なこと言わないで」

と窘めると

「ほんとのことだよ」

と千隼は平気な顔をして微笑んでいる。

新郎の方は絶対千隼の方がかっこよくて
素敵だった。

でもそれを言うときっと付け上がるので
黙っている事にした。

その後の披露宴会場に移ると席は
千隼の隣で西條ゆりえという名札が
置かれていた。

それを見て、千隼は嬉しそうに笑って

「では奥様、どうぞ」

と言って椅子を引いてゆりえを
エスコートした。

ゆりえは複雑な心境ではあったが、
このおめでたい席でもめたくは
なかったので、素直に席に着いた。