御曹司は優しい 音色に溶かされる

その日の夕食は、すき焼き丼にした。

割り下で作ると味付けも簡単で失敗がない。

副菜も何品か作ってお吸い物にきゅうりの
浅漬けも添えて、小さな丸テーブルが
一杯になってしまった。

やはり、三人でこのテーブルを囲むのは
辛いものがある。

いつも早苗と二人なので狭さは
感じなかったが、長身の男性が二人もいては
テーブルが五割減した感じがする。

今日は早く帰ってきた千隼にジョシュは
二人で駅前のショッピングモールに
行った話を楽しそうに聞かせていた。

千隼はちょっとご機嫌が悪そうだ。

「リー、明日は俺も招待されているから
朝マンションに帰って着替えて昼前に
迎えに来るよ。
銀座でランチをしてから行っても
間に合うだろ?
それとも今から一緒にマンションに帰る?」

早苗の結婚式は三時からホテルの教会で
親族だけで行われる。

その後の披露宴は五時からの予定だ。

ゆりえは式にも出席の予定なので、
二時半にはホテルに着いていたい。

緊張しているだろう早苗の控室に行って
リラックスさせてあげたいと思っている。