御曹司は優しい 音色に溶かされる

ジョシュは珍しそうにあたりを
見回しながら、

「この辺はどういう土地柄?」

と聞いてきた。

「二年前とすっかり変わったけれど、私が
住んでいた時は林や川もあって自然も豊かな
昔ながらの住宅街だったのよ。
きっとこのモールができたことで交通の
利便性もよかったこの地域が、郊外型の
住宅街として注目されたみたい。
私も変わってしまって面食らっている所よ。
便利になったのはうれしいけれど、
ずいぶん都会的になってしまったわ」

「そうなんだ。一軒一軒が小さいね。
日本人はマンションが苦手なの?
小さくても一軒家がいいんだね」

「そうだね。地に足をつけるって言葉が
あるんだけれど、意味は色々なんだけど
地面にしっかり根を張っている木は
枯れないし倒れないでしょう?
日本人ってそういうのに憧れるのかもね。
私もどっちかって言うとマンションよりも
今の家の方が好き」