御曹司は優しい 音色に溶かされる

千隼が二年前から動けないでいた間に、
ゆりえは確実に二年という月日を生きて
成長したのだ。

でも、ゆりえをあきらめる事なんかできない

西條千隼は何かをあきらめる事なんか
絶対にしない。

千隼はゆりえの手をそっと両手で包み込んで
その手を唇に持って行った。

ゆりえはびくっと肩を震わせた。

「わかった、二年前のことをなかったことに
しなくてもいい。
この二年間でリーが成長して素晴らしい
女性になったこともよく分かった。
だったら今ここからまた始めよう。
必ずリーの心を取り戻す。
ジョシュなんかには渡さない。
他の誰にもリーは渡さない。
また俺を好きにさせる」

「すごい自信だなあ。
僕ほんとは日本語も理解できるんだ。
読み書きはだめだけど会話はかなりできるよ。
だからゆりえ、僕もここから男として
ゆりえに愛されるように頑張る。
絶対千隼には負けないから」

そう言って二人は敵同士のように睨み合った。