御曹司は優しい 音色に溶かされる

千隼はすべてが終わったらゆりえに何もかも
説明しようと思っていたらしい。

そして、見つけたのが小森恵子とその息子の
優太だった。

恵子は翔太の第二秘書だったらしい。

二人はやがて愛し合うようになったが、
二年程した頃、翔太に財閥のご令嬢との
縁談が持ち上がった。

秘書なのでそんなこともすぐに耳に
入ってくる。

翔太はきっぱり断るつもりだったのだが、
恵子は天涯孤独の身の上で、翔太と
付き合いながらもいつかは身を
引かなければいけないと覚悟していたそうだ

その頃シンガポールの現地法人との提携の
話が持ち上がり、翔太と第一秘書が、
一カ月ほどのシンガポール出張に出た。

そして帰って来た時には、恵子は会社を
辞めて行方も分からなくなっていた。

第一秘書の野中は翔太と恵子の関係には
全然気づいていなかった。

翔太はそのあと調査会社に恵子の行方を
探させていたらしい。

そして、翔太が亡くなった日にメールで
恵子の行方が分かったこと、もうすぐ一歳に
なる男の子とシングルマザーとして暮らして
いることなどが知らされた。

翔太はすごく酔っていたにもかかわらず、
すぐに恵子のもとに駆けつけようとして、
事故を起こしてしまったのだ。

偶然の出来事で千隼は二人の存在を知り
直ぐに二人と会うことにしたという。

それが、ゆりえがホテルで見た男の子と
母親の恵子だった。