御曹司は優しい 音色に溶かされる

「リー、話をしなければいけないことが
たくさんある。
リーはすごく誤解をしているんだ。
まあ、その責任は俺にあるんだけど、
でもきちんとすべて話すから、
時間をくれないか?」

今にも泣きそうな目でそういわれると、
それ以上千隼を突き放すことができない。

千隼を憎んでいるわけではないし、
たとえ二年でもゆりえに幸せをくれた人
なのだから…

とりあえず、ゆりえは千隼をリビングに
招き入れた。

千隼はまず二つの仏壇に手を合わせた。

今までは仏壇しかなかったが、今日は四つの
位牌がそれぞれの仏壇の中に二つづつ
納まっている。

そして水とお花が供えてあった。

ゆりえは帰って来てまず一番最初に、
仏壇に位牌を戻して整えたのだろう。

ゆりえらしいと千隼は微笑んだ。

「久しぶりにリーのご両親とおじい様と
おばあ様にご挨拶ができた」

そういってソファーに座った千隼に、
冷蔵庫に入っていた冷たい麦茶をガラスの
コップに入れて千隼の前に置いた。