(すごいなぁ……)


 なにがすごいって、彼女たちはみんな自分の意志でここに来たのだろう。……自分自身でユリウス様の妃になりたいって思っているんだろう。


(私は?)


 ふと我に返り、胸が痛む。
 私はこの儀式が終わったあと、なにがしたいの? どこに行きたいの? どんなふうに生きていきたいの?


(わからない……)


 この五年間、母に復讐をすることだけが私の目的だった。生きがいだった。
 だけど、そのあとは? ――なにも思い浮かばない。目の前が暗くて息苦しかった。


「クラウディアはああいう格好しないの?」


 なにを思ったのか、ユリウス様が尋ねてきた。私は思わず小さく笑う。