「でも……でもさ、そしたらグアダルーペ領は――ブレディン様はどうなっちゃうの?」
「心配ございません。私から資金援助をさせていただく手はずになっています。加えて、人的支援もさせていただきますので、婚約破棄の対価としては十分かと」
アンセルが微笑む。目頭が熱くなった。
「アイラ様のご実家も新たな取引先が見つかったらしいので、これから経済的に立て直していかれるでしょう。お二人の間に多少の身分の差はあれど、それを覆せるだけの想いがおありのようですから、お嬢様が心配することはございません」
「新たな取引先が見つかったらしいって……どう考えてもアンセルの差金だよね?」
「さあ、なんのことでしょう?」
おどけたように笑うアンセルを見ながら、いよいよ涙が込み上げてくる。
「アンセルはそれでいいの?」
「……どういうことです?」
「だって、わたしの願いを叶えるために色々と自分を犠牲にしているじゃない? 公爵になったら絶対に今より窮屈な生活を送る羽目になるし、せっかく投資で貯めたお金も投げ打ってしまって……しかも、結婚相手がわたしだなんて。本当に、いいの?」
不安でドキドキと心臓が鳴り響く。アンセルはほんのりと目を見開いたあと、わたしの手の甲にそっと口づけた。
「心配ございません。私から資金援助をさせていただく手はずになっています。加えて、人的支援もさせていただきますので、婚約破棄の対価としては十分かと」
アンセルが微笑む。目頭が熱くなった。
「アイラ様のご実家も新たな取引先が見つかったらしいので、これから経済的に立て直していかれるでしょう。お二人の間に多少の身分の差はあれど、それを覆せるだけの想いがおありのようですから、お嬢様が心配することはございません」
「新たな取引先が見つかったらしいって……どう考えてもアンセルの差金だよね?」
「さあ、なんのことでしょう?」
おどけたように笑うアンセルを見ながら、いよいよ涙が込み上げてくる。
「アンセルはそれでいいの?」
「……どういうことです?」
「だって、わたしの願いを叶えるために色々と自分を犠牲にしているじゃない? 公爵になったら絶対に今より窮屈な生活を送る羽目になるし、せっかく投資で貯めたお金も投げ打ってしまって……しかも、結婚相手がわたしだなんて。本当に、いいの?」
不安でドキドキと心臓が鳴り響く。アンセルはほんのりと目を見開いたあと、わたしの手の甲にそっと口づけた。



