とはいえ、一度決まった婚約を覆すことは難しい。我が家とブレディン様の家、双方に利益があるからこそ縁談が持ち上がったんだろうし、身分的にも同じ侯爵家同士で釣り合いがとれている。
漫画として読んでいた頃はまったく気にならなかったけど、男爵令嬢と侯爵令息って絶妙に身分差があるし、アイラの実家は貧乏だから、すんなり結婚とはいかないのだろう。
(切ないわぁ……)
アイラの心情を思うとものすごく切ない。多分……いや絶対、漫画ではそういう描写があるんだろうなあ。読者として読んでいたら、これから先の展開にハラハラドキドキしつつ、二人のハピエンを願っているに違いない。当事者となった今、そんな悠長なことは言ってられないんだけど。
「外堀は私が責任を持って埋めます。お嬢様はブレディン様やアイラ様に直接アプローチをなさってください」
「えっと……わたしから二人にアプローチするのはいいんだけど、外堀ってなに?」
「外堀は外堀です。どうぞ安心してお任せください」
アンセルがニコリと笑う。一体なにをする気かはわからないけど、頼もしいことこの上ない。
「それじゃ、任せた」
漫画として読んでいた頃はまったく気にならなかったけど、男爵令嬢と侯爵令息って絶妙に身分差があるし、アイラの実家は貧乏だから、すんなり結婚とはいかないのだろう。
(切ないわぁ……)
アイラの心情を思うとものすごく切ない。多分……いや絶対、漫画ではそういう描写があるんだろうなあ。読者として読んでいたら、これから先の展開にハラハラドキドキしつつ、二人のハピエンを願っているに違いない。当事者となった今、そんな悠長なことは言ってられないんだけど。
「外堀は私が責任を持って埋めます。お嬢様はブレディン様やアイラ様に直接アプローチをなさってください」
「えっと……わたしから二人にアプローチするのはいいんだけど、外堀ってなに?」
「外堀は外堀です。どうぞ安心してお任せください」
アンセルがニコリと笑う。一体なにをする気かはわからないけど、頼もしいことこの上ない。
「それじゃ、任せた」



