「どうか、これからもずっと、私とダニエルの側にいてくれないだろうか?」
「それは……もちろんそのつもりです。ダニエル様の成長をこの目で見守り続けたいと願っておりますわ」
眼差しが熱い。フィオナはアシェルから目をそらしつつ、そんなふうに返事をする。
「使用人としてではない。私の妻として、ダニエルの母親として、共に生きてほしい。……フィオナのことが好きなんだ」
アシェルはそう言って、まじまじとフィオナを見つめた。
(アシェル様がわたしのことを……?)
こんなふうに好意を打ち明けられたのは生まれて初めてのことだ。元夫のハリーとは完全な政略結婚で、夫婦としての義務的なふれあいしか経験していない。彼はすぐに愛人ができてしまったし、自分には縁がないとすら思っていた。
(嬉しい)
愛情には愛情が返ってくるなんて思っていない。それでも、誰かに想われていると思うだけで、心が温かくなる。フィオナ自身、アシェルに惹かれている自覚があったのだからなおさらだ。
けれど――。
「それは……もちろんそのつもりです。ダニエル様の成長をこの目で見守り続けたいと願っておりますわ」
眼差しが熱い。フィオナはアシェルから目をそらしつつ、そんなふうに返事をする。
「使用人としてではない。私の妻として、ダニエルの母親として、共に生きてほしい。……フィオナのことが好きなんだ」
アシェルはそう言って、まじまじとフィオナを見つめた。
(アシェル様がわたしのことを……?)
こんなふうに好意を打ち明けられたのは生まれて初めてのことだ。元夫のハリーとは完全な政略結婚で、夫婦としての義務的なふれあいしか経験していない。彼はすぐに愛人ができてしまったし、自分には縁がないとすら思っていた。
(嬉しい)
愛情には愛情が返ってくるなんて思っていない。それでも、誰かに想われていると思うだけで、心が温かくなる。フィオナ自身、アシェルに惹かれている自覚があったのだからなおさらだ。
けれど――。



