「わ……私、そんなつもりじゃ……」
「まあ! わたくし別にアメリー様に向かって言ったわけではございませんのよ? これはあくまで一般論ですわ」
こたえつつ、エズメはニコリと微笑む。
すると、出席者の一人――侯爵令嬢フルールがおもむろに立ち上がった。
「わたくし用事を思い出しました。今日はこれで失礼いたします」
発せられる怒りのオーラに出席者たちが一斉に顔を見合わせる。エズメはきょとんと目を丸くし「あら、そうですの」と返事をした。
(偽善、か……)
アメリー自身、そんなふうに考えたことは一度もなかった。けれど、子どもたちや貧しい参拝者がそんなふうに感じていないとは言い切れない。
(やめたほうがいいのかな)
もしかしたら迷惑だったのかもしれない……そう思いつつも、足は自然と神殿へ向かう。エズメの言葉が頭の中で何度も何度も響くが、必死で聞こえないふりをした。
「まあ! わたくし別にアメリー様に向かって言ったわけではございませんのよ? これはあくまで一般論ですわ」
こたえつつ、エズメはニコリと微笑む。
すると、出席者の一人――侯爵令嬢フルールがおもむろに立ち上がった。
「わたくし用事を思い出しました。今日はこれで失礼いたします」
発せられる怒りのオーラに出席者たちが一斉に顔を見合わせる。エズメはきょとんと目を丸くし「あら、そうですの」と返事をした。
(偽善、か……)
アメリー自身、そんなふうに考えたことは一度もなかった。けれど、子どもたちや貧しい参拝者がそんなふうに感じていないとは言い切れない。
(やめたほうがいいのかな)
もしかしたら迷惑だったのかもしれない……そう思いつつも、足は自然と神殿へ向かう。エズメの言葉が頭の中で何度も何度も響くが、必死で聞こえないふりをした。



