(今日はなにをおっしゃる気だろう?)


 出席者たちがドキドキしていると、エズメはちらりとアメリーのほうを見る。


「慈善活動をしている人たちって、いったいなにがしたいのでしょうね?」

「……え?」


 場の空気が凍りつく。アメリーが慈善活動を行っているのはお茶会では周知の事実だ。
 不穏な空気をよそに、エズメは小さくため息をついた。


「だってそうでしょう? 気の毒な人たちを助けたい、なんてわたくしには偽善としか思えませんもの。施しを与えて、自分が誰かの上に立つ気分を味わいたいのかしら?」

「エズメ様、いくらなんでもそれは……」

「違う? だって、本当になんとかしてあげたいと思うのなら、自分の全財産をなげうってでも、その人たちに衣食住を与えてあげればいいじゃない? ただ勉強を教えてあげたり、その場しのぎの寄付を与えたところで、なんの慰めにもなりませんわ。『ちょっといいことをしてあげた』気分を味わいたい――聖女を気取った誰かに付き合わされるなんて、かわいそうだとわたくしは思いますの」


 エズメの言葉がアメリーの胸に突き刺さる。