「子どもたちから慕われてるんだね」

「えっと、そう……でしょうか?」

「うん。少なくとも俺にはそう見えるよ。みんな君のことが大好きって顔してる」


 セヴランが笑う。彼から発せられる『大好き』の言葉に、アメリーはまたもやドキドキしてしまった。もちろん、他意はないとわかっているが……。


「ねえアメリー様、ここ、教えて?」

「あっ……そこはね」


 子どもの一人に手を引かれ、アメリーは急いで身体の向きを変える。


「アメリー様、僕も僕も!」

「ごめんね、少しだけ待っていてね。こっちを教え終わったら……」

「それじゃあ、君には俺が教えてあげるよ」

「本当?」


 セヴランが男の子に向かって笑いかける。アメリーは思わず身を乗り出した。


「いいのですか、セヴラン様?」

「もちろん。俺にも手伝わせてよ」


 セヴランはそう言って目を細める。とても優しくて温かい笑顔。


(ああ、やっぱり私、この人のことが大好きだなぁ)


 深みにハマっていく己を自覚しながら、アメリーは「ありがとうございます」と返事をするのだった。