「アメリー様、大丈夫ですか?」
会もお開きというタイミングで、他の出席者がアメリーに声をかけてくる。
「ありがとうございます。私は平気ですよ」
慣れているから、と付け加えたくなるのをグッとこらえ、アメリーはニコリと微笑んだ。
「本当に? わたくし、アメリー様はそろそろ怒ってもいいと思いますわ」
「そうですわ。わたくしたちも力になりますから」
令嬢たちはちらりとエズメを振り返りつつ、アメリーの手をぎゅっと握る。きっと本気で心配してくれているのだろう。彼女たちの気持ちに心から感謝しつつ、アメリーはそっと首を横に振った。
「ありがとうございます。けれど、お茶会の雰囲気を壊すわけにはいけませんし、相手は公爵令嬢です。下手に反発をすると、みなさまの立場がなくなってしまいます。それに、なんといってもこのお茶会の主催者はエズメ様ですから」
「そう……ですか?」
他の参加者たちは返事をしつつ、アメリーの表情をじっと見る。
「――ああ、エズメは今日もお茶会を開いていたんだね」
と、そのとき、ひとりの男性が彼女たちに声をかけてきて、アメリーの心臓が大きく跳ねた。
緊張と期待を胸にゆっくりと振り返る。そこにはこの家の長男でありエズメの兄――セヴラン・ロズフェリエがいた。
会もお開きというタイミングで、他の出席者がアメリーに声をかけてくる。
「ありがとうございます。私は平気ですよ」
慣れているから、と付け加えたくなるのをグッとこらえ、アメリーはニコリと微笑んだ。
「本当に? わたくし、アメリー様はそろそろ怒ってもいいと思いますわ」
「そうですわ。わたくしたちも力になりますから」
令嬢たちはちらりとエズメを振り返りつつ、アメリーの手をぎゅっと握る。きっと本気で心配してくれているのだろう。彼女たちの気持ちに心から感謝しつつ、アメリーはそっと首を横に振った。
「ありがとうございます。けれど、お茶会の雰囲気を壊すわけにはいけませんし、相手は公爵令嬢です。下手に反発をすると、みなさまの立場がなくなってしまいます。それに、なんといってもこのお茶会の主催者はエズメ様ですから」
「そう……ですか?」
他の参加者たちは返事をしつつ、アメリーの表情をじっと見る。
「――ああ、エズメは今日もお茶会を開いていたんだね」
と、そのとき、ひとりの男性が彼女たちに声をかけてきて、アメリーの心臓が大きく跳ねた。
緊張と期待を胸にゆっくりと振り返る。そこにはこの家の長男でありエズメの兄――セヴラン・ロズフェリエがいた。



