「ずっと前から君のことが気になっていた。明るくて、愛らしくて、いつも『こうありたい』という自分を持っている芯の強い素敵な女性だと――そう思っていたんだ」


 ゲイル様の告白に胸がキュッと甘くなる。
 もしかしたら、わたしが好きになるよりずっと前から、ゲイル様はわたしのことを見ていてくれたのだろうか? だからこそ、わたしの悩みに気づいてくれたのだろうか? ――だとしたら、とても嬉しい。


「わたしもゲイル様のことが好きです。ずっとずっと、ゲイル様の特別になりたいと思っていました」


 ゲイル様はわたしの悲しみに気づいてくれた。寄り添ってくれた。
 それだけじゃなく、彼はわたしに新たな道標を与えてくれたのだ。

 どうやったら大切なものを横取りされないか。守れるのか。大事に生きていけるのか。
 だから、これからはもう、絶対に手放さない。

 彼が教えてくれたように『これはわたしのもの』だって、『わたしが先に見つけたんだ』って、『好きなんだ』って示し続ける。そうするって決めたんだから。


「それじゃあ――末永く、お付き合いいただけますでしょうか?」

「もちろん! 絶対絶対、手放しません!」


 問いかけにそう断言すると、わたしたちは声を上げて笑いあうのだった。