「わたしに『買ったものを捨てる癖がある』ですって? どうしてエミュリアがそんなことを知っているの?」

「え? それは、その……」


 エミュリアは視線を左右に彷徨わせつつ、ふらりと踵を返す。逃さない――わたしは彼女の手首を掴んだ。


「つまりあなたは『全部知っていてわたしの真似をしていた』ってわけ? わたしがあなたに真似されるのが嫌で、あなたに真似されるたびにお気に入りの品々を捨てているのをわかっていたの?」


 正直言って信じられない。信じたくない。
 エミュリアに悪気はないと思っていたから――だからこそ、これまで必死で我慢してきたんだもの。

 それなのに、エミュリアは本当は全部わかっていたんだ。わたしが真似されるのが嫌だってこと。それが嫌でせっかく買ったものを捨てていた事実を。

 だとしたら、許せる気がしなかった。


「……別に、わたくしに真似されたって気にせず使い続けたらよかったじゃない? 捨てたのはあなたの勝手でしょう? つまり、その程度の思いだったってことよ。それに、先に買ったのはウィロウでも、他の誰も気づいてなかったでしょう? それをわたくしのせいにされたって困るわ」

「……っ!」