アタシの幼なじみが両片想いだと知ったのは、アイツから恋愛相談を受けたとき。

話を聞くかぎり、アイツはあの子が自分を好きだときづいていないみたい。

あの子の態度を見て分からないなんて鈍感なんだから呆れてしまう。

だけど大好きな二人が付き合ってくれたら、アタシも嬉しいから、たくさんアイツの相談に乗ってあげた。

だけど、それがいけなかったのかも。

その様子を見ていたらしい数人のクラスメイトが、根も葉もない噂を面白半分に広めていた。

その後すぐ、何人かは噂の訂正をすることができたけど、あの子の耳に届いていないかが気になる。

___もう少し相談場所や方法を考えればよかった…。

放課後、三人だけの帰り道であの子が涙を流しているのを見て、心からそう思った。

小さく肩を震わせるあの子の姿を、これ以上見ていられない。

アタシは、横で石のように固まっているアイツの頭を思いきりひっぱたき、活を入れてやる。

散々話し合ってきた告白プランABCは、もう関係ない。

この場で素直に、全て伝えてしまえ!


動き出したアイツの唇が、最後に伝えた言葉に、あの子の顔が真っ赤に染まっていくのが見えた。