あなたなんかいなくても

別にべったり仲良くならなくても良い。
湊が普通に話せるようになれば良い。
私も意気地がなかったと話すことが出来た。

家に帰る前に湊のマンションに寄ってもらった。
星空が自分の部屋に驚いてる。
嬉しいけど、お母さんがベッドから落ちないかと心配してる。
星空は当然、一緒に寝るつもり。
さすがに湊はそこまで考えてなかった。
「1年生になったら一人で寝られるようにならないと」なんて言ってごまかしている。

ここまで来るのに何年かかったんだろう。
春から星空は1年生。

「ねぇ湊、星空の小学校、このマンションから通って良いですか?」
真っ赤な顔して涙ぐんで、いつからそんなに涙もろくなったのかな。

「星空は一人で寝られるように練習しないといけないけど、お母さんは寂しがり屋さんだから、星空との約束通り、俺が守って一緒に寝ることにする」
上手くこじつけてるなぁ。
「それに弟か妹、欲しくないか?」
何を急に言い出すの?

「弟か妹?」
そこに食いつく?
「欲しい。百華ちゃんとこ、もうすぐ赤ちゃんが来るんだって。サンタさんにお願いしたみたいだから」
百華ちゃんは星空の一番仲良しの女の子。
お願いしたら届くって、百華ちゃんちのサンタさんはすごいなぁ。
「じゃ、星空も今からでもお願いしてみたら?
お父さんがサンタさんに手紙を届けてあげるから」
湊も調子に乗りすぎ。