あなたなんかいなくても

洗い物くらいはやらせてほしいのにキッチンから追い出された。

「独り暮らしが長いからこんなことは当たりまえ。それより早く休んだ方が良いよ。でもシャワーとか湯船に入りたいかな?」
お腹がいっぱいになったら、現金なもんで元気になってきた。
昨日入れなかったから湯船につかれるのは嬉しい。
上がったらドライヤーを持って近付いてきた。
大人になって髪を乾かしてもらうなんて無かった。
甘やかされたことが無いから緊張してしまう。
「俺がやりたいだけだし、嫌じゃ無かったらじっとしてて」
嫌なわけ無い。ただこんなに甘えて良いんだろうか。
「はい。乾いたから、残念だけど部屋に戻って早く休んで」
こんな生活になれないうちに早く帰らないと。

「ちょっと仕事で出掛けるけど、ちゃんと寝てるように」
今から?
私のために時間を割いてくれて、今から仕事なんて…、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。