あなたなんかいなくても

初めて来た、湊のマンション。
部屋に入るとシンプルな、と言うか殺風景な感じがする。
ここで毎日過ごしてるんだ。

「この部屋使って」
開けるとシングルベッドに机とキャビネット。
机の上には戦隊モノの人形が。
よく見ると『レッド』以外が揃ってる。
通ってきた他の部屋と比べると明らかに違う温かみのある子供部屋。

「星空の部屋?」
涙が出てきたのは熱のせい?
湊がここまで考えてくれている。

「俺が勝手にやってることだから気にしないで
それより何か食べて、早く休んで、少しでも早く迎えに行ってあげて」
言葉が出ない。もう頷く事しか出来なかった。

「食欲はある? お粥くらいは作れるから」
お粥と言っても鶏や卵、ほうれん草なんかが入った中華粥。
それをササッと作ってしまう。
顔が良くって、仕事の出来る御曹司で料理も出来る!
ますます私で良いのか考えてしまう。