私の世界にいつも君がいた
家も近くで、幼稚園も一緒、小学校も一緒で、苗字が漢字違いで一緒だからか席が隣になることも度々あったし、塾も一緒だった。
だから私たちは昔からお互いのことを「こうちゃん」「さっちゃん」と呼び合っている。
いつも「さっちゃん」とあの柔らかい笑顔で呼ばれるたび嬉しくて、
「こうちゃん」と呼ぶたびドキドキしていた。
自分だけ、こうちゃんにとって特別なようで。
そんな私の幼いながらに芽生えた恋心
でも私たちはお互いに人見知りで大人しい性格。
だから2人とも恥ずかしがって、一緒にいてもそんなに喋ったり、はしゃいだりすることはなかった
だけど、話さなくても心地いい、それが私とこうちゃんのいつもの空気感。
それなのに、こうちゃんはふとした時に
「僕、さっちゃんの笑った顔好きだなぁ」
なんて言ってくる。
恥ずかしがり屋なのか、大胆なのかよくわからない。
そのよくわからないところも含めて私はこうちゃんが好きなんだ。



