私は両親に飛び切り愛されていないのです。愛されてないというよりは私だけのためにたくさんお金を使いたくないという感じですかね。私は、大きなお庭に大きなおうちに住んで幸せです。でも、服も普通の服ですし高級ものではありません。ですから、勝負しても仕方がないという気持ちが強まったのかあまり勝負事は好きではなくなりました。みんながわあわあ言ってるのが少し居心地が悪いのです。コンクールに出るのが美愛さんと決まった時も別に何も感じませんでした。
「穂香!コンクールは誰だった?」
お母さんの声です。ピアノ代を減らしたいのです。
「美愛さんだけど?」
「穂香、コンクールに一回も出れないってどういうこと?ピアノ好きじゃないの?お金が無駄よ。やめなさい。」
ほら、いつもこんな感じなんです。