シーラー カタッと鍵盤が浮き上がる音がした。きれいに引けた。
「じゃあ決めようかしらね。今年のコンクールは美愛さんです。」
私はびっくりした。奏音ちゃんには勝てっこないと思っていた。でもよく考えれば今回は奏音ちゃんより私のほうが上手だった気がする。奏音ちゃんは弾き込みが苦手だからな。光恵ちゃんや、穂香さん、栄登君も奏音ちゃんじゃなかったことにびっくりしているみたい。まあ私はピアノが好きだしコンクールに出れるのもうれしいけど。ルンルン気分で家に帰った。家というより小さなマンション。奏音ちゃんも栄登君も同じマンションなの。あそこのピアノ教室は結構このマンションの子が多い。光恵ちゃんは近くの家。ちょっと見た目は小さめ。貧しいってわけじゃないんだけどね。ママと比べたら断然光恵ちゃんの両親のほうが収入が高いと思うけど。穂香ちゃんはお嬢様。もうちょっと先に行った大きなおうちに住んでる。お庭は緑緑していて、とってもきれいなんだ。あれ?ちょっと奏音ちゃんの顔が変。まあそりゃそうだよね。コンクールにはじめてというほど出てなかったんだもの。
「穂香ー。今回こそコンクールに出れたよね」
ママだ。ママはあんまり私のことが好きじゃない。お金をたくさん使わせて、妹弟の世話もろくにしないし。でも意地悪はしないよ。弟二人妹一人がいるんだけど、みんなとってもかわいいの。いじわるする気にはなれない。ママは妹のことが大好き。一人目の弟もまあまあ好かれてるけど。もう一人の弟は結構嫌われている。怒りんぼうで泣き虫でおまけにわがままだし。ママはシングルマザーだから、常に疲れてる。だから、弟たちの世話は私に任せるし、弟はほったらかし。妹だけママといろいろやってるんだ。ずるくない?
「穂香!答えなさい!」
あ、ヤバイ!ママって気が短くてすぐ起こるんだ。私は何回たたかれたことか
「ママ!あのね、今回は出れたよ!課題曲頑張らないとね。ママ私の曲聞いてくれる?忙しいのはわかってるよ。でもどれだけ私がピアノが好きか知ってほしいの。」
私はママの後をついていった。
「あら、すごいじゃない!奏音ちゃんにも勝てたの。じゃあ聞いてあげるね」
「ありがとう!」
私はママに聞かせてあげた。家のピアノは小さな中古品であんまりいい音も出ない。でも私が弾くとうまく出るんだ。自慢だけど。弾き終えてママの顔を見た。ママはうっとりと聞いていた。そして曲が終わったのに今気づいたようにアッという顔をした
「すごいわね。ママの知らないところでもちゃんと頑張ってるのね。ママは陸翔たちの世話やってくれないっていうけど。よく頑張ってるよね。ママが忙しいから、美愛が忙しそうにしてるのわざとらしく見えてきて、もっとやってよって言っちゃうの。ごめんね」
ママは子供が頑張ってる姿を見るのが大好きだ。そういう時は機嫌がよくなる。その日は私の大好きなマーボーナスが出た。
私は、心で弾くことを心掛けてる。奏音ちゃんはひたすら練習しいるみたいだけど、私は違う。心を込めて弾くと何千回もの練習よりも上手になるんだ。誰かの心に響くようなジーンという音。弾いてても気持ちよくなるような音色。それを出すには、きかせるひと、その曲を作った人を考えて、そして何よりもピアノが大好きっていう気持ちが大切。ちょっと道徳っぽいよね。でも私はそう考えるようにしてるんだ。だから、やっぱり奏音ちゃんには負けたくない。タイプが違うから張り合うには向いてないかもしれないけど、奏音ちゃんには絶対負けたくないって思う。
「じゃあ決めようかしらね。今年のコンクールは美愛さんです。」
私はびっくりした。奏音ちゃんには勝てっこないと思っていた。でもよく考えれば今回は奏音ちゃんより私のほうが上手だった気がする。奏音ちゃんは弾き込みが苦手だからな。光恵ちゃんや、穂香さん、栄登君も奏音ちゃんじゃなかったことにびっくりしているみたい。まあ私はピアノが好きだしコンクールに出れるのもうれしいけど。ルンルン気分で家に帰った。家というより小さなマンション。奏音ちゃんも栄登君も同じマンションなの。あそこのピアノ教室は結構このマンションの子が多い。光恵ちゃんは近くの家。ちょっと見た目は小さめ。貧しいってわけじゃないんだけどね。ママと比べたら断然光恵ちゃんの両親のほうが収入が高いと思うけど。穂香ちゃんはお嬢様。もうちょっと先に行った大きなおうちに住んでる。お庭は緑緑していて、とってもきれいなんだ。あれ?ちょっと奏音ちゃんの顔が変。まあそりゃそうだよね。コンクールにはじめてというほど出てなかったんだもの。
「穂香ー。今回こそコンクールに出れたよね」
ママだ。ママはあんまり私のことが好きじゃない。お金をたくさん使わせて、妹弟の世話もろくにしないし。でも意地悪はしないよ。弟二人妹一人がいるんだけど、みんなとってもかわいいの。いじわるする気にはなれない。ママは妹のことが大好き。一人目の弟もまあまあ好かれてるけど。もう一人の弟は結構嫌われている。怒りんぼうで泣き虫でおまけにわがままだし。ママはシングルマザーだから、常に疲れてる。だから、弟たちの世話は私に任せるし、弟はほったらかし。妹だけママといろいろやってるんだ。ずるくない?
「穂香!答えなさい!」
あ、ヤバイ!ママって気が短くてすぐ起こるんだ。私は何回たたかれたことか
「ママ!あのね、今回は出れたよ!課題曲頑張らないとね。ママ私の曲聞いてくれる?忙しいのはわかってるよ。でもどれだけ私がピアノが好きか知ってほしいの。」
私はママの後をついていった。
「あら、すごいじゃない!奏音ちゃんにも勝てたの。じゃあ聞いてあげるね」
「ありがとう!」
私はママに聞かせてあげた。家のピアノは小さな中古品であんまりいい音も出ない。でも私が弾くとうまく出るんだ。自慢だけど。弾き終えてママの顔を見た。ママはうっとりと聞いていた。そして曲が終わったのに今気づいたようにアッという顔をした
「すごいわね。ママの知らないところでもちゃんと頑張ってるのね。ママは陸翔たちの世話やってくれないっていうけど。よく頑張ってるよね。ママが忙しいから、美愛が忙しそうにしてるのわざとらしく見えてきて、もっとやってよって言っちゃうの。ごめんね」
ママは子供が頑張ってる姿を見るのが大好きだ。そういう時は機嫌がよくなる。その日は私の大好きなマーボーナスが出た。
私は、心で弾くことを心掛けてる。奏音ちゃんはひたすら練習しいるみたいだけど、私は違う。心を込めて弾くと何千回もの練習よりも上手になるんだ。誰かの心に響くようなジーンという音。弾いてても気持ちよくなるような音色。それを出すには、きかせるひと、その曲を作った人を考えて、そして何よりもピアノが大好きっていう気持ちが大切。ちょっと道徳っぽいよね。でも私はそう考えるようにしてるんだ。だから、やっぱり奏音ちゃんには負けたくない。タイプが違うから張り合うには向いてないかもしれないけど、奏音ちゃんには絶対負けたくないって思う。

