初めての恋のお相手は

翌朝。


お店で
こゆさんとスグリさんお手製の朝食を頂いて


それから、祠堂さんと一緒に
お店の近くの警察署を訪れた。


対応してくれた婦人警察官の人が
私の名前を聞いて、声を上げる。



「あなたが…」

「…えっと…お会いするのは初めてですよね?」



少し驚いたような表情を前に
戸惑いながら、口を開く。



「失礼しました
私、渡瀬(わたせ)と同期の林田(はやしだ)と申します」



……渡瀬さんの…。


馴染み深い名前が出てきて、少し緊張が緩む。


林田さんは同情するように私を見て
労りの言葉をかけてくれた。



「渡瀬から、お話は聞いてました
今回も…大変でしたね」

「……「も」?」



ずっと、隣で黙って
やりとりを聞いていた祠堂さんが
不思議そうに首を傾げた。



「お話しても、よろしいですか?」



祠堂さんを見て、林田さんが私に確認する。

無言で頷けば

林田さんは私の代わりに
祠堂さんに事情を説明してくれる。