初めての恋のお相手は

「楸。とりあえず、不審な人はいなかったから
今日は安心して休みなさい」

「……はい」

「楸は、学生?」

「いえ、働いてます」

「明日は仕事かしら?」

「休みです」

「なら、明日、一緒に警察署に行きましょう」

「い、いえ…そこまでご迷惑は…」

「いいのよ
私が勝手にやってるだけなんだから」

「…でも」



ためらう私に、こゆさんが笑って言う。



「楸ちゃん
祠堂さんは言い出したら聞かないから
甘えると良いよ」



どうやら、祠堂さんは一度こうと決めたら
折れない性格のようで

こゆさんの言葉に同意するかのように
微笑んでいる祠堂さんに

少し悩みながらも、結局、頭を下げた。



「分かりました。よろしくお願いします」

「まかせなさい」



念のためにと
祠堂さんも、そのまま
こゆさんとスグリさんのお店に
泊まることになって


夜も更けたこともあり
この日はそこで会話を終了し、休むことになった。