初めての恋のお相手は

――……



「…なんでしょう」

「ん?かわいいなって。ね、スグリ」

「ああ」



お店に着いてから
ずっと、微笑ましそうに私を見てる
こゆさんとスグリさん。


その理由は…



「仲良く手を繋いで、ハグして
…付き合ってた頃を思い出すね。スグリ」

「そうだな」



にこにこ笑いながら
互いを見つめ合うこゆさんとスグリさん。



「………見ないでください」

「え~、だって、かわいいんだもん。楸ちゃん
傑も、たまには良いことするね」

「良い案なんじゃないか?
実際、虫除けにはなるし
祠堂も楸を意識するかもしれないしな」



恥ずかしさで縮こまっていた私は
スグリさんのその言葉に、ぴくりと反応した。



………意識。

もしかして…
祠堂さん…意識してくれてるのかな…



ただ、演じてるだけかもしれない。


けど、時々見せる
言葉や行動は、演技にしては―…



「ねぇねぇ、楸ちゃん」

「!は、はい」



思案に耽っていた私は
こゆさんの呼びかけで、はっと我に返る。

慌てて返事をすれば
こゆさんは、楽しげに笑って提案をする。



「デートとかしてみたら?」

「で、デート…?」



馴染みのない単語に、目が点になる。