初めての恋のお相手は

「……あ、ありがとう…ございます…」

「よろしい」

「あ~、いっけないんだ~
祠堂さん、まーた女の子誑(たぶら)かして…」



突然の近距離に真っ赤になる私。

そばにいたこゆさんが
揶揄(やゆ)するように、祠堂さんを指差す。



「またってなによ、人聞きの悪い」

「自覚がないのが厄介なんだよな~、この人」



わいのわいの、目の前で続く
親しい者同士のやりとりを、黙って見つめていると

一連のコントのようなやりとりが終わって
祠堂さんが、再び私に視線を向ける。



「あなた…えっと…」

「白木楸です」

「楸ね。私は皇(すめらぎ)祠堂。祠堂でいいわ」



祠堂さんとも、改めて自己紹介をして


それから、現状報告を貰う。