初めての恋のお相手は

……忘れていたのに。
思い出さないようにしていたのに。


痛みや苦しみ、悲しみばかりが占拠する
私の過去。私の人生。



「……ふっ、」



嗚咽と共に、涙が溢れる。


いつもなら耐えられた。
でも、弱っている今は無理だった。



「っ、…っひ…っく…うぅ」



今だって、苦しんでいるのに
どうして、過去の出来事に
苛まれなくちゃいけないんだろう。


どうして自分だけが
こんなに苦しまないといけないんだろう。


被害者意識を打ち消せない。
湧き上がってきた負の感情を抑えられない。


瞳からは、とめどなく涙があふれて
ぽたぽたと
布団を握り締める私の手を濡らしていく。



部屋の中は真っ暗で
私の不安と恐怖を加速させる。



…………明るい所に行きたい。



ここは怖い。



足音が聞こえてきそうで。



私を脅(おびや)かす相手が現れそうな気がして。






泣きながら、ベッドから降りようとして



ガタン!



と、激しい音を立てて、そのまま床に転倒する。



「……っ」



冷たい床に体を打ち付け、鈍い痛みが全身に広がる。



……痛い。



体が思うように動かなくて
癇癪を起こした子供のように、私は泣くばかり。




痛い。


怖い。


苦しい。




………………助けて……




床にうずくまりながら
この暗闇からの救いを願った。