初めての恋のお相手は

お互いを知り合うと言う経験が
今までの自分の人生にはなかった。


そこまでの関係性を築く事が出来なかった。


みんな、『視覚』から得られる情報で
私の全てを決めてしまうから。


会話で、私を知ろうとする人は
ほとんど、いなかったから。


一方的に、距離を取られたり、崇高視されたり

好意だったり、敵意だったり、悪意だったり


偏ったものしか向けられなくて。



「祠堂さんと
こゆさん、スグリさんの関係は?」

「高校からの付き合いよ
ちなみに、あのふたりは幼なじみ」

「どんな学生でしたか?」

「そうねぇ、自分で言うのもなんだけど
モテてたわね」



だから、今

こんな風に普通に
言葉のキャッチボールが出来ることが楽しい。

なんてことない会話が特別に感じる。


祠堂さんとのやりとりは
お店に着くまで、止まることなく続いた。