初めての恋のお相手は

――……



「じゃあ、楸ちゃん
とりあえず、仕込みの補助からお願いするね」

「はい、頑張ります」

「まずは、野菜の皮むきからやってみよ~!」

「はいっ」



可愛らしく「えいえいお~っ」と
拳を掲げて笑う、こゆさんに力強く頷く。


エプロンの紐をしっかり結び直して
気合いを入れる。



こゆさんとスグリさんのお店の厨房。


なぜ、私がここにいるのかと言うと


話は数日前に遡る―…




――…




『楸、あなた、しばらく仕事は休みなさい』

『…え?』



荷物を片付け終えた私は
そのまま床に座り込んで、魂が抜けたように
ぼんやり窓の外を眺めていた。

そんな私に、背後から現れた
祠堂さんがそんな事を言ってきた。



『あなた、自分がぼろぼろだって自覚あるでしょ?』

『…』

『そんな精神状態で
無理して仕事続けてたら、倒れちゃうわ』

『……でも、生活もありますし
何かしてた方が、気も紛れるので…』

『それで倒れちゃ元も子もないでしょう?』

『…』