初めての恋のお相手は

……大きな手。



自分と見比べると、全然違う。


いつも、この手で触れられているんだと
まじまじ見てしまう。


こんな大きくて、力も強いのに
私に触れる時、祠堂さんはいつも
壊れ物を扱うように優しく触れてくる。


……大事に扱ってくれてる。


私の体も、心も。


それがとても……嬉しい。



その手に触れながら
祠堂さんが私に向けてくれる優しさに
改めて浸っていると


ふと、目についた。



……あれ、祠堂さん、手、怪我してる。



手のひらのちょうど真ん中当たりに
何かが刺さったかのような赤い痕。



「ああ、それ
花の棘、取り除いてる時にやっちゃったのよ」



じっと見つめる私に、祠堂さんは言う。



「……痛そう」

「見た目ほど大したことはないから
……って、楸?」



少し身を屈ませて
そのまま、祠堂さんの手のひらに

その傷に、唇を寄せる。



「…」



遠い昔、両親に教えて貰ったおまじない。


早く治りますようにと
祈りを込めて、キスを落とした。



ふっと顔を上げれば
なぜか、祠堂さんは唖然としていて、首を傾げる。



「…祠堂さん?」

「………もう、やだわ。本当にこの子は…」

「?」

「そういうことは
恥ずかしげもなくするんだから
……参っちゃうわ」

「??えっと…ごめんなさい
変な事しましたか?
痛み避けのおまじないだったんですけど…」