初めての恋のお相手は

3人が、口を揃えて言った言葉の意味を
身を持って知ることになったのは
それから、数日後の事だった。


きっかけは、祠堂さんの誕生日。


日が近くなったから
誕生日プレゼントは何が欲しいか本人に聞いた。


自分で考えてあげても良かったけど
最初は、本人が欲しいものを
確実にあげたいと思ったから
ストレートに聞いてみた。


そうしたら

リビングのソファーベッドで
本を読みながら、寛いでいた祠堂さんは真顔で



「楸」



……なんて、答えた。



「…」




その言葉を真に受けた私は
真っ赤になって、その場に立ち尽くす。

祠堂さんはそんな私を見て、表情を崩した。



「冗談よ
いえ、あながち冗談ではないんだけど…」



うぶな私の反応に、くすくす笑いながら



「楸の気持ちを無視して
色々、先走ったりしないから安心して」



と、じつに大人な
誠実な返しをしてくれた。


祠堂さんがちゃんと私の事を考えて
そう言ってくれたのは、嬉しかったけど


同時に、子供扱いされたような気にもなって
ほんの少し、悔しくなった私は



「……少しなら」

「ん?」

「……少しなら、いいです。あげます」

「…」



真っ赤な顔のまま、挑むような言葉を返した。