初めての恋のお相手は

「白木さん
今回も身辺の見守り強化などはしますが
長期間続けて差し上げるのは難しいです」

「…はい」



小さく頷けば
林田さんは胸を痛めるように、表情を歪めた。



「……申し訳ありません
けれど、出来る限りの対策はしますので」

「いいえ、ありがとうございます」



毎度毎度、手を煩わせて申し訳なく思っている。

だけど、同時に
きちんと対処してくれるこの人達に感謝する。


こういった案件が軽視されやすい中
それでも、親身になって
助けてくれようとしてくれる。


とても、ありがたいことだ。


感謝を述べれば、林田さんは笑顔を浮かべ
それから、切り替えるように表情を引き締め
改めて事情聴取を始める。



「では、もう少し詳しくお話を
お聞かせ願えますか?」

「はい」

「…」



私が林田さんと会話している間
祠堂さんは、ずっと、無表情で黙り込んでいた。