初めての恋のお相手は

――……



「…………なんでしょう」



朝からずっと、仕事中も
目が合う度に、にこにこ笑って私を見ていた
こゆさんとスグリさん。

言いたいことは何となく予想がつくけど
照れ臭くて、自分から話をするのは避けていた。



「や~、おめでたいね
今夜はお祝いだね。スグリ」

「楸の好きなもの、何でも作ってやるぞ」

「……どこかの
お母さんお父さんのような事言うの
やめてください」

「実際、娘みたいなものだもん
ね、スグリ」

「ああ」



ほのぼのと会話するふたりに
苦笑を返しながらも
その言葉には、嬉しさのようなものを感じる。

両親のいない私にとって、確かに、このふたりは親代わりのような存在になっていたかもしれない。

……親にしては年が近すぎるけど。



「良かったね。無事、祠堂さんと
本当の恋人になれて」



今日の朝、送ってくれた祠堂さんが
照れて言い出せなかった私の代わりに
こゆさんとスグリさんに報告をしてくれた。