初めての恋のお相手は

「あなたの全てが愛しいの」



祠堂さんは、真剣な顔で答えた後
じっと私を見返して、柔らかく表情を崩す。



「顔も声も、性格も考え方も、全部」


「弱いところも、頑固なところも
色んなことを、深く考えるところも」


「嬉しそうに私を呼ぶところも
私に見せる、かわいい笑顔も」


「惹かれて、好きだと思ったの」


「あなたじゃなきゃ、ダメだって思ったの」


「充分な理由でしょう?」



『全部』と言う、パワーワードに


熱烈な愛の告白に


変わらず注がれる熱い視線に


全身に熱がまわって


恥ずかしくなって、祠堂さんから顔を背ける。



「…」

「楸」

「…っ」

「逃げないで」



立ち上がった祠堂さん。

反射的に私も立ち上がって

近付いてくる祠堂さんから
距離を取ろうとしたけど

それより早く、祠堂さんは私を捕まえて。


やんわりと掴まれた腕を
戸惑ったように見つめて、固まれば

祠堂さんは、優しい声で問いかけた。



「…難しいことは考えなくていいから
楸の素直な気持ち、教えてくれない?」