初めての恋のお相手は

「ねぇ、楸さん」

「!?……なんで、名前……」



怯えた視線を向ければ
その人は、そんな私の態度に
愉悦を感じたかのように

にたり、と唇をつり上げる。



「焦らされるのも好きだけど
追いかけっこは、そろそろ止めにしない?」



…………まさか。



嫌な予感が胸の中に広がって


全身に鳥肌が立つ。



「贈った手紙と
婚姻届は受け取ってくれたよね?」



決定的な言葉に、身体中が警鐘を鳴らす。



嫌な汗が流れて
唇が、手が、足が、全身が震える。

立っていられなくなりそうなくらいの衝撃に
言葉も出ない。



「大丈夫。きみの気持ちは分かってる
照れてるだけなんだよね」



……この人は、何を言ってるんだろう。



「僕に妬いてもらいたいからって
他の男を使って、アピールしてたんだよね?」



見当違いな事ばかり、口にして



「大丈夫、全部分かってるよ」



狂気じみた笑顔と視線を私に向けてる。