初めての恋のお相手は

「……驚いた
まさか、こんな所で会えるなんて」

「…?」



私を見て、その人は言葉通り
驚いたような表情を浮かべる。

だけど、私は
見覚えのないその人に首を傾げた。

眼鏡をかけた、細身の
気の弱そうな30代くらいの男の人。


……全然、知らない人。


なのに、相手は私を知っているかのように
フレンドリーな態度で接してくる。


嬉しそうな笑顔を見せると
突然、ぐっと私の手首を掴んできて



「!」



私は、びくりと身を震わせた。



「……ずっとずっと
変なやつと一緒だったから
中々、声がかけられなかったんだ」

「あ、あの……は、離してください…」



その声音や表情から
不穏な空気を感じ取った私は
震えながら、その人から後ずさる。


だけど


手首を掴まれているから、距離は変わらない。