初めての恋のお相手は

私の頭を撫でて微笑む
この人はどこまでも、あたたかくて、優しくて
まっすぐに気持ちを向けてくれる。


そういうものを見せられる度に


与えられる度に


私はどうしようもなく、惹かれてしまう。




「………好きです」



……



静かな空間に響いたその声が
自分の口から発せられたものだと気づいて


はっとなった私は
慌てて自分の口を両手で塞ぐ。


だけど


一度口から出てしまった言葉は戻せない。



「…」



驚いたように目を見張り、固まる祠堂さん。


私は、かぁっと熱くなる顔を押さえて
慌てて立ち上がる。


とっさに口にした言葉が恥ずかしくて


返ってくる反応が怖くて



「…楸!?」



祠堂さんの呼び声も無視して



そのまま部屋を、家を飛び出した。